| 宮守川上流生産組合(岩手県宮守村) |
| 3集落の全戸参加 〜資源と人材を有効利用〜 |
| 岩手県宮守村の宮守川上流生産組合は3集落の全農家が参加する。「農村が機能してこその農業」を理念に掲げ、集落営農を展開。11人の担い手農家が、農地の土地利用調整や農作業の受託などで基盤を支える。高齢者も生きがいを持って労働に従事している。 交付金を一括活用 同組合は1994年度に設立、同時に3つの行政集落をまとめた「一集落一農場」事業が始まった。農家数180戸、農地100ヘクタールの対象地区はそれまで、8割が未整備な5アール区画、農道は2メートル、水路は素掘りという状態だった。 「水稲に和牛と葉タバコだけしかなかった。県の担い手基盤整備事業の後は、どう活用するかが問題だった」 浅沼達雄さん(69)が当時を振り返る。宮守川上流地区農業農村整備事業推進委員会の会長として集落合意に奮闘。ほ場条件が整い、営農は担い手に委ねた。 組合の活動は2000年度から本格化した。20以上ある団地への中山間地域等直接支払制度交付金は、全額をプールし農機の共同購入に充てた。 作業料金は格安で 水稲基幹作業の受委託と機械の共同利用を軸に、土づくり、担い手育成、遊休農地の活用も進めた。 組合員は、農地の面積に応じて10アール当たり年間3千円を拠出する。導入農機の償還財源を確保するのと、組合員が低料金で作業を委託できるようにするためだ。10アール当たりの受託料金は格安の1万9千円に設定。冷夏に泣いた今年は、その半額に抑えた。 受託面積は、02年度で耕起14ヘクタール、代かき21ヘクタール、田植え21ヘクタール、稲刈り53ヘクタールとなっている。また、ブロックローテーションによる土地利用を拡大、02年度は大豆などで31.6ヘクタールの集団転作を実施した。 照井至組合長(68)は、担い手農家11人の先頭になって現場で指揮を執る。「担い手育成では、機械化を進めて将来の不安がなく、負担をかけず、夢の持てる農業に取り組んでいる」と足跡を語る。減農薬栽培に対応するため土づくりにも力を注ぎ、畜産農家と一体となって牛ふんたい肥を生産する。 遊休農地に新作物 遊休農地の活用では、新たに部会をつくりブルーベリーやワラビを導入、来年から出荷の運びだ。直売部会や加工部会も活動が軌道に乗ってきた。 最近では、グリーン・ツーリズムや環境整備にも力を入れる。生きがいの持てる高齢者の労働として、けい畔へのアジュカなどグランドカバープランツの植栽を計画的に進めている。 照井組合長は「高齢者や子供がいて地域がある、との考えで動いている。地域の資源や人材を生かし、生産から販売まで一元化したい」と、自信をみなぎらせる。将来的には法人化も視野に入れる。 |
(日本農業新聞 2003年11月4日掲載) |
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