水が田んぼに届くまでFlow of water

水が田んぼに届くまで

田んぼや畑などの農地には、水を届けるための農業水路がつくられているので、河川やため池から遠くても水を運べます。それはみんなの生活にも役立っています。コイやホタルを放流したり、ミニ水力発電、魚の養殖、水車などに使ったり、防火用水にも利用できます。様々に活用された水は、やがて川や地下に戻り、植物を育て生物を育みます。


  1. ためる

    水をためる「ため池」と「ダム」

    田んぼでお米をつくるためには、たくさんの水が必要です。
    農家の人々は、必要な時に田んぼに水を送れるように、人工的に池をつくってためておきました。これが「ため池」で大きなものは「ダム」と呼ばれています。

    雨が多い梅雨時の余分な水もため池やダムにためておくので夏の雨が少ない時にも十分に水を使うことができます。

    ため池やダムは、農業用水だけではなく、生活用水や川の水が増えた時の調整のためにも役立っています。

    平成21年度「疎水のある風景」最優秀作品
    平成21年度「ため池のある風景」
    最優秀賞作品 
  2. 取水

    河川から用水路に水を引く役目をする「頭首工」

    川の流れをせき止めて、その水を用水路に引き入れる役目をするのが頭首工です。水位を調節する「(せき)」、取り入れ口の「取水口」、魚の通り道になる「魚道」などから構成されています。

    日本の川は短くて急勾配なものが多いので、昔は大きな川をせき止めるのに大変苦労しましたが、技術が進み、今は効率的に水を引き入れることができます。

    伊豆野堰頭首工
    伊豆野堰頭首工 : 栗原市
  3. 運ぶ

    土地を切り開いてつくる水路「疎水」

    農地の用水や上下水道、船の運送などのために新しく土地を切り開いてつくり、川などから水を引く水路を「疎水(そすい) 」といいます。

    明治時代に作られた福島県郡山市の「安積(あさか)疎水」、栃木県那須野ヶ原の「那須疎水」、滋賀県大津市から京都府京都市にわたる「琵琶湖疏水」は日本三大疎水と言われています。

    宮城県では農林水産省から疎水100選として選ばれた大崎市の「大堰疎水」があり、市民の憩いの場にもなっています。

    大堰(内川)疎水
    大関(内川)疎水 : 大崎市
  4. 分ける

    水を均等に分ける「円筒分水工」

    農業には水が必須です。ですが、水の少ない土地では水をめぐって争いがおこることもありました。そこで少ない水で争いがおきないよう、一定の割合で正しく水を分ける工夫がされたのが「円筒分水工」です。

    田んぼへの水を公平に分けるため、円筒の中心部に用水を湧き出させて外側に一定の割合で水が分けられる仕組みになっています。

    疣岩円筒分水工
    疣岩(いぼいわ)円筒分水工 : 蔵王町
  5. 田んぼ

    田んぼは水の生き物を育む

    分けられた水はいよいよ田んぼに届きます。水路より田んぼが低い場所にあれば簡単に給水できますが、田んぼのほうが高い位置の場合は、ポンプ等を使って汲み上げて給水します。

    気温の低い地域では冷たい水をそのまま田んぼに入れるのではなく、専用の給水路をつくって一旦水を溜め、太陽で温めてから田んぼに水を入れる等、工夫をしています。

    暖かな田んぼは、カエルやザリガニ、たくさんの虫たちの住処にもなっており、柴田町や丸森町など、夏にはホタルが舞う地域もあります。

    津波被災地で育つ稲
    たくましく育つ稲 : 名取市